台湾・九份ってどんな場所?
九份は台北市に隣接した都市である新北市瑞芳区にある場所です。
丘陵地帯の台湾東北部で山を背にし、海に面した土地柄、九份はかつて金鉱として栄えていました。
1890年に金脈が発掘され、四千世帯ほどを抱える巨大都市へと変貌した九份は、当時「アジアの金の都」といわれ、「小上海」や「小香港」とさえ呼ばれていました。

しかしながら、ゴールドラッシュの熱狂が覚めていくにつれて、九份自体も活気を失い、廃れていくことになりました。
このような状況の中で、次第に映画の撮影地として利用されるようになり、この地で撮影が行われた侯孝賢監督の『悲情城市』がベネチア国際映画祭でグランプリを受賞。
今では、九份は古びた町並み、建物、廃坑などを強みに変え、国内外から多くの観光客を集める台湾でも屈指の人気スポットとなっています。


「九份」という地名の由来はなんだろう?
九份は、元々は金鉱で栄えた土地ですが、それ以前はクスノキを伐採して樟脳※を作っていました。10個のかまどを「一份」といい、この地にはかまどが90個(九份)あったことから「九份」という地名に変わったと言われています。 ※クスノキの木片を水蒸気蒸留で抽出し結晶化させたもの。ハッカのような匂いで防虫効果があり、昔は高級品として家具や仏像にも使われていました。

九份はジブリ作品「千と千尋の神隠し」のモデル?!
夜になると、レトロな木造建物が立ち並ぶ街に赤提灯が煌々と灯る、その独特な姿から、ジブリ映画の「千と千尋の神隠し」のモデルになった場所ではないかという噂もある九份。

しかし、同作品の監督・宮崎駿氏やスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏は「九份をモデルにしたわけではない」とコメントしており、九份を訪れたこともないとのこと。
ちなみに、同作品の本当のモデルになったのは、愛媛県松山市・道後温泉や、東京都小金井市・江戸東京たてもの園にある文具店「武居三省堂」・銭湯「子宝湯」ではないかという説が有力です。

九份へのアクセス
九份へのアクセス手段は主に下記の選択肢があります。
- シャトルバス
- タクシー
- 市バス
- 電車+バス or タクシー
1. シャトルバスを利用する場合
台北市内の中心地・MRT西門駅を発着する専用シャトルバスで1時間ほどで九份へ行くことができます。
「行きのみ」・「帰りのみ」・「往復」の選択が可能ですが、運行している時間帯が限られているため、注意が必要です。料金は片道で約$300元となっています。


2. タクシーを利用する場合
グループで旅行をしている方や、乗り換え等が面倒という方には、少し費用はかかりますがタクシーも利用することができます。
また、タクシーは待ち時間も発生する可能性があるため、特に九份からの「帰り」は注意しましょう。
不安な方は、下記のサービスなどから貸切タクシーを事前予約することをおすすめします。

なお、タクシー利用の場合、台北市内〜九份の往復乗車料金は約$2,300〜$3,000(約11,000円〜15,000円)となります。

3. 市バスを利用する場合
なるべくコストを抑えて乗り換えなしで行きたい方は、市バスでのアクセスも可能です。
- 965番(台北客運)
- 1062番(基隆客運)
965番バスは、MRT「西門駅」のすぐ近くにバス停があり、西門駅や台北駅周辺に滞在する方に特に便利です。乗車時間は1時間〜1時間30分程度になります。
料金は片道$90、往復$180(台北市内〜九份)。市内セブンイレブンに置かれた電子端末ibonから1日乗車券($180)も購入可能です。

1062番バスは、MRT「忠孝復興駅」のすぐ近くにバス停があり、東区に滞在する方に特におすすめです。乗車時間は約1時間半〜2時間を想定しておきましょう。
料金は大人$101/小人$50(MRT「忠孝復興駅」〜九份老街)です。


4. 電車+バス or タクシー
こちらのアクセス方法は、ゆったりローカルな路線旅を楽しみながら向かいたい方におすすめです。台湾らしいレトロな列車に乗って、外の風景を楽しみながら九份まで向かうことができます。
電車で台北駅の平渓・深澳線に乗車し、「瑞芳駅」で下車します。そこから、瑞芳駅前のバス停で788番・825番・827番または台湾好行「黃金福隆線」バスに乗り換え、「九份老街」で下車する方法が一つ。



もしくは「瑞芳駅」よりタクシーを利用することもできます。
このアクセス方法だと、電車で瑞芳駅まで約30分〜1時間、乗り換え・バス乗車時間を含めると約1時間半〜2時間かかります。
また料金は、台北駅〜瑞芳駅までの電車賃が区間(各駅停車)$49、莒光(急行)$59、自強(快速)$76となります。
瑞芳駅から九份老街までのバス運賃$15、瑞芳駅から九份老街までタクシーを利用する場合、乗車料金は$205となります。(※料金が変動する可能性もありますのでご注意ください)

アクセスまとめ
ここまで紹介したアクセス方法について、下記表にまとめてみました。
個人的に最もおすすめの方法は、MRT西門駅2番出口のバス停から965番のバスに乗る方法です。このバスは便数が多く、西門町から九份老街まで直行でき、所要時間も約50~60分と非常に便利です。
また、初心者の方で不安な方は、MRT西門駅発着の直通シャトルバスもおすすめです!
アクセス方法 | 所要時間 | 料金(往復) |
---|---|---|
直通シャトルバス | 約1時間 | 約$600 |
タクシー(通常) | 約1時間 | 約$2,300〜$3,000 |
タクシー(貸切) | 約1時間 | 約$2,600(5人乗りモデル) |
市バス(965番) | 約1時間〜1時間半 | 約$180 |
市バス(1062番) | 約1時間半〜2時間 | 約$210 |
電車+バス | 約1時間半〜2時間 | 約$200 |
電車+タクシー | 約1時間半〜2時間 | 約$600 |
九份に行ったら立ち寄りたいおすすめのお店
ここでは、九份を訪れた際にぜひ立ち寄りたいお店をご紹介します!
1. 阿妹茶樓アメイチャロウ(台湾茶)
まずは、九份といえばの鉄板スポット・茶坊「阿妹茶樓」です。

瓦屋根にかかる赤提灯が特徴的で、どこかノスタルジックな雰囲気を醸し出すこの茶坊。
このお店を訪れたら、「千と千尋の神隠し」に登場する湯婆婆の油屋のモデルなのではないかと思ってしまうのも納得です。

阿妹茶樓に行った際には、テラス席がおすすめです!九份の街並みを一望しながら、台湾茶を楽しむことができます。

日没より少し前くらいに行ってゆっくりするのがおすすめ!

2. 阿柑姨芋圓アーガンイユーユェン(芋圓)
弾力があり、台湾ではよくかき氷やスイーツに入っている芋圓と呼ばれる団子の名店がこちらの「阿柑姨芋圓」です。
芋圓とは、タロ芋から作られたもちもちの芋団子のこと。
さつま芋から作られた黄色団子は「地瓜圓」と言い、この二種類をミックスしたものを総称して「芋圓」と呼ばれることが多い。


このお店では、美味しい芋圓かき氷はもちろんのこと、2階席では大きな窓から、海と山の絶景を眺めながら食事をすることができます!

九份老街・豎崎路の階段の一番上にあるお店のため、たどり着くまでに少し体力を使いますが、美味しい芋圓と絶景が楽しめるので、是非訪れたい場所です。


3. 金枝紅糟肉圓ジンジーホンヅァオロウュエン(肉圓)
ここまで紹介した台湾茶・芋圓と並び、地元の人々にも人気のグルメが、半透明のスライムのような見た目が特徴の肉圓です。

餡が赤いのは、紅麹で煮込んだ豚肉を使用しているためで、甘じょっぱいタレを十分絡めて食べるのがおすすめです。
実は、「千と千尋の神隠し」でお父さんとお母さんが屋台で食べすぎて豚になってしまったシーンに出てきた食材がこの肉圓だったという噂も…
九份で肉圓を食べるなら、おすすめは金枝紅糟肉圓です。パクチーが苦手な方は「我不要香菜」と言えば、抜いてくれますので、ぜひ伝えてみましょう!

魔法の言葉「我不要香菜」!


まとめ
今回は、台北の超人気観光スポット・九份について、アクセス方法やおすすめのお店を紹介していきました!
千と千尋の世界観が好きな方、レトロな街並みが好きな方には絶対に訪れてほしい場所なのですが、特にアクセス面がわかりづらく、複雑な場所でもあるので、本記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです!

それではまた次の投稿で

あでぃおーす!
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