本記事では、J1第4節vs鹿島アントラーズ戦の試合後レビューを行っていきます!
過去に投稿した関連記事は下記よりご覧ください!
第4節 vs鹿島アントラーズ戦のレビュー
直前の第3節vs名古屋グランパス戦から中2日で行われた第4節vs鹿島アントラーズ戦。前節の勢いそのままに鹿島アントラーズにも勝利を目指したものの、結果は0-2の敗戦でした。
両チームのフォーメーションとスタメン、ベンチメンバーについてはこのような形となりました。
開幕から3試合連続で3-4-2-1のミラーゲームが続いていましたが、この試合は鹿島が4-4-2を採用し、互いにシステム的にギャップが生まれる展開となりました。

フォーメーション&スタメン

ベンチメンバー

この試合、前線の3枚は前節スタメンで活躍したトリオ(山下・佐藤・エヴェルトン)ではなく、開幕戦からスタメン起用していたヒアン・仲川・俵積田を送り出した松橋監督。
一方で、鹿島は破壊力満点の不動の2トップ・鈴木優磨とレオセアラがこの試合もスタメンで起用されました。
ゲームの展開としては、前半は互いにチャンスを作り出す展開になりました。基本的には東京がボールを握り主導権を握るものの、仲川やヒアンのシュートがポストを叩くなど、チャンスをものにできませんでした。

一方の鹿島も、松村の効果的な持ち上がりや鈴木優磨・レオセアラのポストプレーにより要所で時間を作りながら応戦してくる展開。
後半に入っても序盤は東京がペースを握るものの、俵積田が無人のゴールへのシュートを外してしまうなど、やはりチャンスをことごとく活かせません。
こうなると、そこは伝統的な強かさが特徴の鹿島アントラーズ。東京がチャンスを外している間に、一瞬の隙をついたサイド攻撃から鈴木優磨が森重のPKを誘発。
このPKを鈴木がきっちりと沈めて鹿島が劣勢の中でもリードを奪い、終盤にもセットプレーから交代で入っていた師岡が合わせて0-2で試合終了となりました。
この試合で、鹿島アントラーズはホーム25戦無敗のJ1リーグ記録に並びました。

今節の課題と収穫は?
鬼木監督率いる鹿島アントラーズに、内容では優っているように見えてものの、負けてしまった第4節。この試合で見えた課題と収穫をまとめてみました!
課題
- 前線3人の連携面(継続)
- 決定力不足
- 交代枠の使い方
まずこの試合でも課題に感じられたのが、スタメンの前線3枚(ヒアン・仲川・俵積田)の連携面。
開幕戦から徐々に改善が改善は見られるものの、攻撃時にはボランチからこの3枚の誰かに入ることはあるものの、そこからこの3枚で連携して崩すというシーンはほとんど見られず。
この辺りは、もう少しコミュニケーションをとりながら、3人が効果的にリンクし合うことができれば相手も対策がしづらくなるのではないかと思います。
また、今回の敗戦に直結したのが決定力不足でした。
この試合含め、内容面では試合を追うごとに改善されてきており、この試合も要所でWBとシャドーの効果的な連動やヒアンへの裏のボールなどのトライが見られました。
鹿島を相手に主導権を握れたと言っても良い内容ではあったものの、ビッグチャンスを悉く外してしまい、結果は0-2の敗戦。負けてなお希望が持てる状況は、昨季にはなかったポジティブな要素ではあるものの、できればこのような試合はきっちり勝ち切っておきたいところでした。
運の要素はあるものの、枠内シュートを増やし、決め切るチームになれれば、上位にも食い込めるのではないかと思っています。
最後にこの試合で違和感があった点が交代カードの切り方で、特に橋本拳人を小泉慶に交代させた時間帯でした。
この試合、FC東京に復帰後初スタメンを飾った橋本拳人は、さすがの存在感を示し、鈴木優磨とのバトルや相手の中盤からのボール奪取、前線につけるパスなど躍動しており、鹿島としては非常に厄介な存在だったと思います。
その橋本を60分という早い段階で小泉に交代させ、そこから2失点。小泉もこの試合に関しては交代直後に不用意なボールロストからイエローカードをもらい、その後にもあわやもう1枚かというシーンもある不安定なプレーでした。
この試合で感じた点は、小泉と橋本の大きな違いは、「前への意識」である点。
小泉はもともと守備的MFを本職としており、仕方がないものの、やはり橋本に比べると前への迫力が劣る印象で、効果的なパス供給も少ない印象。
その観点では、相方である高も橋本拳人とのコンビの方がより前と後ろの役割をシームレスに分担することができ、より生き生きしているように見えました。
東京としては、替えの効かなかったボランチ2枚にようやく競争が生まれる環境となり、今後に期待です。

収穫(よかった点)
- 橋本拳人の絶妙なポジショニング
- 守備の安定感(継続)
- 北原槙のJリーグ最年少出場記録更新
まずは、上述した橋本拳人のさすがとも言えるボール奪取能力と前への推進力。特に前半の主導権を握ることができていたのは橋本の存在が非常に大きかったと思います。
橋本の真骨頂は、ボールを奪うだけでなく、そこから自分で持ち上がる部分や、前線に素早く精度の高いパスが出せる点。この辺りが、小泉との違いであり、小泉にも良い刺激になっていければ、チームの成長にもつながることは間違いないと思います。
現に、橋本拳人のこの試合における貢献は、この試合で橋本が交代してから鹿島ペースになったという点にも表れていると思います。
また、継続して評価したいのが守備の安定感。この試合では今季初の複数失点を喫したものの、PKとセットプレーからの失点であり、今季はいまだに流れの中から崩されての失点はありません。
特にクロス対応の部分は、以前の記事でもコメントした通り、昨季から飛躍的に向上しました。
また、コーナーキックの守備対応に関しては、昨季は完全なゾーンディフェンスを採用していましたが、今季からはゾーン+マンマークに変化しており、見ていても昨季よりは安心感が持てる守り方をしている印象です。
上位進出において、守備の安定は絶対条件でもあるため、今季はシーズン通してこの強度を保っていきたいところ。
最後に触れておくべきトピックが、北原槙のJリーグ最年少出場記録。
前節に引き続きこの試合でもベンチ入りを果たし、82分から途中出場。その時点で、完全に鹿島ペースだったこともあり、印象的なプレーはできなかったものの、今後の彼の成長にも期待したいですね!

今節のピックアップ:橋本拳人のボール奪取能力と前への意識
この試合で特に取り上げたいのが橋本拳人のプレー。すでに上述しましたが、彼の真骨頂は、ボールを奪う部分と前への推進力であり、鹿島戦でも随所に見られました。
この傾向は、下記のようにヒートマップ上でも表れています。

このデータで注目すべき点が、橋本のポジショニングの幅。名古屋戦でフル出場した小泉と比較すると、橋本がいかに前への意識高く幅広いエリアをカバーしているかが窺えます。
橋本と小泉の競争がひいてはチーム力の底上げにもつながると思うので、引き続き注目していきたいと思います!

まとめ
内容は良かったものの、決定力に泣いた今節。(逆に言えば、鹿島らしい強さを見せつけられた試合でもありました。)
敗戦となってしまったものの、試合を重ねるごとに確実に課題が修正されていっており、取れる勝ち点は着実に積み重ねつつ、松橋監督のスタイルが浸透していけば非常に面白いチームになると思います。
それではまた次の投稿で!

コメント